マーケティングで使われる、R-STP-4Pというフレームワークを紹介します。
ただ説明してもつまらないので、モテるプロセスを通してWebマーケティングを知ってもらうのが今回の目的です。
DIST.7「一歩差がつくWebデザインテクニック」でLTをしたときの内容ですが、プレゼン時の資料は内容が少ないため、詳細を加筆しました。
R-STP-4Pとは
マーケティング(売れ続ける仕組み作り)で使われるフレームワークです。
フレームワークですので、先人たちの知恵が集約されているので便利です。その反面、もちろんなんでもかんでも当てはまるわけでもありませんので、うまく使ってください。
STP単体や、4P単体で説明されることもあります。今回はまとめて説明します。
R(3C)
Rとは、調査(Research)です。
自分を知り、相手を知ることから始まります。「女の人は○○だ」「○○が好きな人はけっこういる」などと勝手に想像で行動しないために、調査が必要です。
代表的なものが「3C分析」です。3Cは以下の3つです。
顧客(Customer)
ここでは「恋愛対象」です。
どのような人がいるか、どれくらいいるか、顕在的需要
(ニーズ)、潜在的需要(ウォンツ)などを調査します。
競合他社(Competitor)
ここでは「ライバル」です。
強み
、弱み、
恋愛対象への需要の対応
などを調査します。
自社(Company)
ここでは「自分」です。
強み
、弱み、技術力、財力、イメージなどを調査します。
4Cの場合
「3C」ではなく「4C」とした場合は、流通経路(Channel)や、協力会社(Cooperator)が入ってきます。「コネ」や「友人」と考えてもらえればわかりやすいかと思います。
STP
STPとは、セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)です。
市場や環境などを調査した後は、誰に対して勝負できるかを考えます。
セグメンテーション(細分化)
人をなにかの軸で区切って細分化します。その区切り方によって、それぞれのセグメントの特徴が見えてきます。
性別や年齢という軸は、よく使われることが多いです。あまり思いつかない区切り方ができると、ライバルよりも、一歩リードできるというわけです。
たとえば、以下のような例です。
- 性別
- 場所
- 年齢
- 価値観
- 恋人の有無
- 配偶者の有無
- 性格
- 兄弟構成
- 恋愛経験
- 容姿
- 学歴
- 家庭的
- リーダー的
- 食べ物の好み
- 職業
- 趣味
- 年収
- 趣向
- 格好
- ○○系
挙げだすとキリがありませんが、いろんな軸が考えられます。
兄弟構成で細分化したときに、次女(兄がひとり)の性格を調べるとモテそうとか、学歴で細分化したときに、高学歴すぎる人とは合わなさそうだとか、そういうことです。
ターゲティング(ターゲット選定)
細分化して、いつくかに分かれたセグメントから、ターゲットを選定します。東京の
年下の
サブカル系の女性というような感じです。
ターゲットに到達できるかも考慮します。
セグメントやターゲットを設定してから、それに合わせて自分磨き(商品開発)をする方法もあります。
ポジショニング
自分の立ち位置を決めます。ライバルに比べて、恋愛対象の人に、どういったポジションであれば他の人よりも利益を与えられるかが重要です。
たとえば、「安定志向か挑戦思考か」の軸で見ると、挑戦思考はライバルが少ないが恋愛対象になる人も少なくなるな、というように自分の立ち位置を決めていきます。通常、2つ以上の軸でポジショニングしてきます。
4P
調査をして狙いを定めたら、次は行動に移ります。
製品(Product)
ここでは「自分の特徴」です。
「カメラが得意」とか「社交的」とか「低姿勢」とかを見つけだしていきます。どのターゲットに、なにで攻めていくのかを考えます。たとえば、「Webデザインが得意」という特徴で攻めたいとしても、Web制作の勉強会などで出会う人たちにはあまりアピールできる要素ではなくなってしまいます。
価格(Price)
ここでは「恋人への条件」です。
「かわいい」とか「優しい」とか「料理が好き」とかを決めます。ターゲットに対して自分自身の需要が高ければ、この恋人への条件(自分の価格設定)を高くしても問題ないでしょう。
流通(Place)
ここでは「出会いの場所」です。
会社、学校、イベント、ボランティア、ナンパ、出会い系、懇親会、SNS、オフ会、コンテスト、コミュニティなどなど。自分で出会い系サイトを作って、好みの女の子がいれば自分とマッチングさせるという、うらやまけしからんことをする人もいますが、それも自分の特技を生かしたひとつの場所ですね。英語が話せなければ、英語圏の人と交流が難しいように、知識や技術や財力やコネがなければ到達が難しい場合もあります。
プロモーション(Promotion)
ここでは「魅力を伝えること」です。
アプローチ、トークやデート、夜の営み、化粧、ファッション、友人へのアピールなどです。友人に「自分は○○が得意」アピールをしておけば、そこから出会いがあるかもしれません。
マーケティングを取り入れて論理的なWebデザインをしよう
たとえば、SEOで検索サイトで上位に表示されるが問い合わせ率が悪い、名札を売っているサイトのリニューアルをするとします。
悪いWebデザインの例
- 問い合わせボタンを赤く目立たせる
- サイト全体を高品質なイメージにする
- 高い値段を隠す
- JavaScriptなどを使ってインタラクティブで今風なデザインにして他社と差別化
いいWebデザインの例
調査の結果、競合他社は安い値段で勝負している会社が多い。
自社は汎用性の高い商品を提供していて、それを謳っている会社は少ない。
アクセス解析を見ると12時台を省いた朝から夕方にアクセスが多く、アクセスはほぼPCのみ。
何人かの管理職や一般事務の人に調査をしたところ、デザインのクウォリティは一定のクウォリティさえ保っていればいい、商品写真がわからないと離脱してしまう、などがわかる。
以上のことを踏まえて、相見積りを取りながら、上司が書く稟議書のための資料も作成する人で、商品デザインにこだわりのある会社の決裁権を持たない一般事務の人をターゲットとして設定する。
以上のことから、以下を提案。
- LP内に相見積り時に必要そうな情報や、サイズとロット数などの価格表、値段の高さの理由を掲載
- 印刷用のCSSを用意
- ディティールまでわかるように商品写真を撮り直す
- 求めているものにたどり着きやすいUI設計にする
悪いWebデザインの例と比べると、改善すべき点(つまり工数をかけるべき点)が異なることがわかります。
まとめ
モテ続ける(売れ続ける)仕組みは、
- 調査をして
- 勝負できるところを見つけ出し
- 行動して
作る。
もちろん、自分磨きも大事です。
このマーケティングがうまくいけば、理論上は(今よりは)モテますが、人生そんなうまくいきません。自分の特徴に需要がなかったり、調査が難しかったり、需要がある層に会うことが難しかったり(能力や財力がなかったりで)。そこがマーケティングが難しいところなのではないでしょうか。こんな記事を、美人とイケメンの目の前で書いている時点でアレなわけですが。