CSS Nite「Shift10:Webデザイン行く年来る年」というイベントに行ってきたので、自分の感想も込みで、2016年のweb界隈・web業界にはどういったことがあったのか、まとめたいと思います。
量が量なので、けっこうはしょった部分もあります。ご了承ください。
吉川雅彦のフロントエンドエンジニア視点での感想とまとめ
- 今年は「フロントエンド界隈は流れが速いというが、今年はぜんぜん流れが変わっていない。目新しいものが出てきていない」ということをよく聞いていた
- そのとおりだと感じた
- 2016年を一言でいうと、HTML5関連技術の安定
- Windowsのサポートポリシーの変更がされ
- 開発者にとってIE11以上でいいよねという流れになり
- 開発者が使える技術が増え
- そこへGoogleがモバイルの評価に力を入れ始め
- 一部の人が先行して使っていた技術を満を持して使い出し(使い出さざるをえなくなり)
- HTML5の足並みが揃い始め安定し始め、それに伴いwebサイトを刷新する企業や団体も多かった
マークアップ
仕様
- HTML 5.1 勧告
- 障害者差別解消法が2016年4月1日施行
ブラウザ
- 対応ブラウザはIE11以上でいいよねという流れ
- マイクロソフトがIEのサポートポリシーを変更
- iOS 10 のSafariが、viewport拡大制限が無効、インライン動画再生対応
- Flashがデフォルトで停止状態のブラウザが多くを占めてくる
CSS
- Flexboxは、ブラウザの対応がそろったが、まだバグ多い(Flexbugs)
JavaScript
- jQuery 3 が2016年6月9日リリース、IE8以下のサポートを廃止
- フレームワーク、React、Vue、Angularが人気で、各々の方向性がそろってきた
ツール
- Sass:DreamweaverでもSass対応、libSassとRuby Sass 3.4はほぼ100%互換性に、ompass+Bourbonでのmixin から、PostCSSのautoprefixerの流れに
- PostCSS:後方互換や最適化に便利
ツールと制作環境
OSとハードウェア
- Windows:Windows10 無料アップデート、ハードウェアが好調
- Mac:macOS Sierra(10.12)、OS X → macOS、新MacBook ProがTouch Bar搭載
Adobe
- Photoshop:ゆがみフィルター登場、コンテンツに応じるの進化
- Illustrator:ピクセルパーフェクトの刷新で以前より使いやすく
- 書き出しの世代交代
- Dreamweaver:生まれ変わる、コード編集はBrackets、CSSプリプロセッサー搭載
- XD:Sketchに対抗、Photoshopでカンプ作るというよりも、こっちを推してきている
アクセシビリティ
- 「JIS X 8341-3」の改定、国際規格「ISO/IEC 40500:2012」(= W3C「WCAG 2.0」)と同じ内容の⼀致規格になってきた
- 「障害者差別解消法」の施⾏、公的機関は法定義務、⺠間事業者は努⼒義務
- 「みんなの公共サイト運⽤ガイドライン」の公開
- HTML5とWAI-ARIAによる実装が加速
マーケティング
AMP対応
- 食べログなど、AMP対応
- 広告収益減収やURLの二重化など課題も
Googleアナリティクスあれこれ
- ユーザーがどのように行動したかが見られるユーザーエクスプローラーの新機能
人口知能解析
- GAにもAIによる無料のアドバイス機能(英語版)
- 仮説やKPIは、人間が立てなければ意味がない
- 自動化の流れはとめられない
マーケティングオートメーション
- Hubspotがダントツのシェア 2015年36.3%
- 商売に必要なこと(マーチャンダイジングやフルフィルメント)をきちんとやってからでないと、ツール導入の効果は小さいかも(ほとんどメール配信のパーソナライズで終わってしまう)
SXOとモバイルファーストインデックス
- SXO – Search Experience Optimization
- 検索体験の最適化
- キーワードではなく、クエリ(現在位置とかの、言語化しにくいもの)ごとに最適化するアルゴリズムに進化していっている
広告あれこれ
- Google検索、Yahoo!検索で、検索結果画面の右側の広告枠を廃止
- 各々機能強化
- いまの時代の広告はレッドオーシャン、LTV(顧客生涯価値)にもとづく予算やKPI設定が、ますます大切に
スマホUI
2016年の主なトピックス
- iOS 10 リリース、コンプレクションリダクション
- 動画元年
- セルフィー文化
プロトタイピングツール
-
トランジション型:遷移に特化したツール
- InVison
- Marvel
- Prott
- POP
-
インタラクション型:凝った動きに特化したツール
- Pixate
- Principle
- アニメーションなど高度な使い方ができる
- Origami Studio
- デザイナが嫌いそう
- ProtoPie
- タイムラインを使って
- STAGE / GALLERY
- Adobe XD
フォント
絵文字・アイコン・ロゴ
- 絵文字が使われだすようになる
- Font Awesome 5 – 無料版と有料版
- 温泉など90種類の案内用のマークについて変更を検討
ツール
- フォント管理ツール
- 使ってる人少ない
- FontEXplorer X Pro 6.0にバージョンアップして日本語対応
- アプリケーションの起動にかかる、探すのに時間が
- フォント制作ツール
Drop&Type 2.0
海外でも、イラレで作って、フォントにする流れ - デスクトップアプリ
- お気に入りフォント機能
- イラレにも
- 類似フォントを表示(欧文フォント)
- イラレ、最近使用したフォント(設定で変更可能?)
- マッチフォント
- 欧文フォントのみ
- OpenType SVG
- カラーやグラデーションをもったフォントをサポートしはじめた
- コロンの位置、前後関係に依存する
- 仕様がまだ固まっていない
- 新しい流れ
- ミニ字形パネル
- さいとうさんの「さい」の字をインラインで選べる
書籍
- 月刊MdN「絶対フォント感を身につける。2」
- 『+DESIGNING VOLUME 42 実践文字組み講座』
- 『文字を作る仕事』
OSフォントベンダー
- OS
- macOS Sierra
- 8書体
- 11フォント
- macOS Sierra
- フォントワークス
- ゴスペル – EB
- エヴァンゲリオン公式フォント マティスEB TrueType版
- モリサワ
- いろいろアップグレード
- タイプデザインコンペティション 2016
- しまなみ など
- Mopstudio
- ミウラFONT10年ぶりの新書体
Web Fonts
- Google Fonts + 日本語早期アクセス(試験的に提供)
- Noto Sans 以外にも使える
- 試験運用なので注意
- TypeSquare モリサワ
- 文字組み機能オン
- CSS3
- 日本語フォントの文字組機能
-
その他
- Web が web に
- にじみ感、きてる
- 游ゴシック体のWindowsでのレンダリング問題
-
游ゴシックのにじみ問題
- 初めて共通のフォント
- 共通といいつつ、見え方違う
- OSに搭載されているウェイトが違う
- macOSはレギュラー以下がない
- normal 400で設定してもmacOS、medium500が使われる
- Windows アプリケーション(ブラウザ)によってフォントのレンダリングが違う
- ガンマ、クリアタイプ?がちょっとずつ違う
- なんとかできるけど、ややこしい
デザイントレンド
今年は
リニューアルが多かった
トレンド
- ホイールアイコン
- ローポリからリアルポリゴン
- 波の模様をあしらったデザイン
- 等幅フォントの新しい文脈
- サイドとずれの融合
- 高解像度化
上半期グローバル企業
- newsの面積が減少
- グローバルメニューがメガメニューになってきて、押すとさらにメガメニュー
- アプリからの影響でコンプレクションリダクション
上場企業
- 多段カラムからペライチデザインに
- レスポンシブ、4段階のブレークポイント